ストーリー
鳥取県には少ない焼物の一つだと思う!? 探し訪ねた因久山焼の窯元で、お茶をご馳走になりながら見渡して目に付いたのがこの茶碗、ピンクの混じった刷毛目がすばらしい; ここから鳥取砂丘までは車で1時間チョット位:
因久山焼(いんきゅうざんやき)は、
鳥取県八頭郡八頭町(旧・
郡家町)にて焼かれる
陶器。歴史は非常に古く、
奈良時代から窯場が開かれていたと伝えられる。名は窯元が置かれていた久能寺の
山号である因久山に因み、
池田藩より名を拝領した。
江戸時代の
明和年間に、京の陶工、六兵衛が
御室焼の技術を伝えたのが草創とされる。以後は池田藩の御用窯として庇護され、発展を遂げた。寛政年間には
信楽から陶工を呼び、技術を採り入れている。現在は窯元こそ一つしか残っていないが、一度も廃窯することなく、連綿と技法が受け継がれている。
因久山焼の特徴は、多彩な釉薬にある。原料の粘土は鉄分を多く含むために、素地はくすんだ赤褐色気味だが、藁灰釉、辰砂釉などを用いることにより、格調高い意匠となる。特に御室焼の流れを汲んでいるために、
華道の花瓶や一輪挿しなどに名器が多い。